○スズキ目カマス科カマス属
アカカマス(Spyraena pinguis)
- 1 分布
- 2 特徴
- 3 名前の由来
- 4 生態
- 4.1 ・生活環境
- 4.2 ・食性 成魚は常に集団で大きな群れを作って生活しており、肉食性で主にエビなどの甲殻類や小魚を捕食します。 アカカマスは餌に対して非常に貪欲で、狩りの際には大きな群れでイワシなどの小魚の群れに襲いかかります。 私たちから見ればカマスちゃんは小さなお魚でも、イワシたちからすれば十分な脅威なんです! 小さいといっても成長すると40㎝は超えますが、、。
- 4.3 ・繁殖 また、産卵期は夏で、場所によってわずかに産卵の開始時期が異なりますが大体6〜7月ごろに沿岸部で産卵を行い、一度のシーズンに数回に分けて卵を産みます。
- 4.4 卵はバラバラになって海中を漂う分離浮性卵で、孵化した稚魚は上層部で生活しており、流れ藻に合わせて移動しているところを漁港などで見かけることもあります。 成長スピードは基本的にオスよりもメスの方が早く、ある程度成長すると沖合の深場に移動して大きな群れを作り行動します。
- 5 魚食
分布
日本で最もよく見られるカマスの仲間とされており、北海道から琉球列島にかけての日本各地沿岸や朝鮮半島西岸・東岸・南岸、渤海(ぼっかい)、黄海、インド・西太平洋などに幅広く生息しています。
沿岸性が強いのですが水深160mほどの環境にも生息しています。
特徴
カマスの仲間は剣のように細長くてかっこいい体が特徴的で、中でもアカカマスの同定ポイントは主に鰓穴の中にある鰓弓(さいきゅう)と背鰭(せびれ)と腹鰭(はらびれ)の位置関係にあります。
アカカマスは第一鰓弓に2本の鰓耙(さいは)があり、第一背鰭基部が腹鰭基部より後方にあることでよく似たヤマトカマスや他のカマスと区別することが出来ます。
体長30センチ程になり、大きなもので40センチを超えます。
吻は細長く尖っており、口の中は黄色く、鋭く尖った歯を持っています。
鱗が大きく体側中央部には一本の暗色縦帯があり、胸鰭(むなびれ)、尾鰭(おびれ)は黄色く、第二背鰭はやや黄色味を帯びており、尾鰭の後縁は黒く縁取られています。
黒っぽい背側に銀色の体といったシンプルな色合いで、背中と側線の間はやや光沢のある青色をしています。
黒い瞳は大きく、その周りは金色になっています。
腹鰭は背鰭よりも前にあります。背中の光沢が美しいですね。
胸鰭は体のわりに小さくて可愛いです
臀鰭の軟条部先端付近などは黄色くなっています
第二背鰭の軟条は先端で二股に分かれます
第一背鰭を初め、各鰭の鰭膜はよく張っています
腹鰭の鰭膜は特に破れやすいです
尾鰭の後縁はこのように黒くなっています
歯は鋭く、上顎と下顎の前方には他の歯よりも大きくて鋭い犬歯があるので注意が必要です
瞳の周りの金色はまるで金箔のような美しさがあります
剣のように尖った顔がかっこいいですね!
名前の由来
本種とよく似たヤマトカマスに比べて体の背面が赤みを帯びていることからこの名前がつきました。
カマスの語源は穀物や塩・石炭などを入れるための藁(わら)でできた叺(かます)という袋からきており、カマスの大きな口が叺の大きな袋の口に見えたことからカマスと呼ばれるようになりました!
昔から使われる道具が名前の由来だったんですね!
また、カマスは大きな群れを作って狩りをする姿が軍隊のように見えたことから元々漢字では魚へんに、師団と読んだりすることで軍隊を連想させる「師」という字を使って鰤(カマス)と表されていました。
しかし、同じ字を使われる魚にブリがいて紛らわしかったために、最終的に師という字の右側だけを使って魳と呼ばれるようになりました。
カマスの仲間は英名ではバラクーダと呼ばれており、この呼ばれ方で有名な種類には、ファインディングニモの冒頭にてニモのお父さん達の卵を襲ったオニカマスがいます。
ですが正式にはオニカマスの英名はグレートバラクーダで、アカカマスは和名のアカを取ってレッドバラクーダと呼ばれています。
市場などでの流通量が多いからか釣り人や漁師さんの間では本カマスと呼ばれたりしています。
他にも地方によって体の鱗が荒いことからアラハダと呼ばれたり、背中の色が土色にも見えることからドロカマスやツチカマスなどの呼び方をされたりします。
生態
・生活環境
季節によって生活環境を変える回遊魚で夏場は沿岸の浅場に多く見られ、冬になって水温が下がると沖合の深場にまで移動します。
そのため水深160メートルほどの海底から底引網などによって漁獲されることもあります。
・食性
成魚は常に集団で大きな群れを作って生活しており、肉食性で主にエビなどの甲殻類や小魚を捕食します。
アカカマスは餌に対して非常に貪欲で、狩りの際には大きな群れでイワシなどの小魚の群れに襲いかかります。
私たちから見ればカマスちゃんは小さなお魚でも、イワシたちからすれば十分な脅威なんです!
小さいといっても成長すると40㎝は超えますが、、。
・繁殖
また、産卵期は夏で、場所によってわずかに産卵の開始時期が異なりますが大体6〜7月ごろに沿岸部で産卵を行い、一度のシーズンに数回に分けて卵を産みます。
卵はバラバラになって海中を漂う分離浮性卵で、孵化した稚魚は上層部で生活しており、流れ藻に合わせて移動しているところを漁港などで見かけることもあります。
成長スピードは基本的にオスよりもメスの方が早く、ある程度成長すると沖合の深場に移動して大きな群れを作り行動します。

魚食
味:★★★★☆(非常に美味しい)
身の種類:白身
選び方は目が濁っておらず澄んでいて触った感じ体に張りがあり、まるまると肥えているものがいいです!
また、鰓の様子が見られる場合は鮮やかな赤色のものを選ぶといいですよ!
カマスは成長に合わせてどんどん脂が乗っていくおさかなで、成長に合わせて様々な食べ方ができるとっても美味しいおさかななんです!
年中を通して漁獲され、近所のスーパーなどでも塩焼き用の魚として頻繁に見かけることが出来ます。
最も美味しく食べられる旬は秋で、卵を持つ時期でも脂が乗っており、産卵後は脂が落ちて痩せてしまいますが餌を求めて貪欲に泳ぎ続けるからかすぐにまた脂が戻るようです!
20センチほどの小さなものはフライや開いてみりん干しにしたり、30センチ以上のものは塩焼き、そして40センチ前後のものは刺身がおすすめです!
カマスの塩焼きはとても美味しく、脂の乗った癖のない白身がご飯のおかずに合います!
他にも煮付けや、刺身を炙りにするなどの食べ方をしてもとても美味しいですよ!