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5000の呼び名を持つ魚(ミナミメダカ)

○ダツ目メダカ科メダカ属

ミナミメダカ(OryZias latipes


分布

本州以南の日本各地の小川や水路などに生息しています。

メダカは元々1種のみだとされていましたが、今では北日本、南日本、朝鮮半島東側、中国〜朝鮮半島西側の4つの地域で生息するメダカはそれぞれ別種となっています。

この内、ミナミメダカは南日本の集団に当てはまり、キタノメダカとともに日本固有種となっています!

さらにミナミメダカは地域によって見た目などに違いがあり、遺伝子的にも違いがあるため、東日本型、山陰型、東瀬戸内型、西瀬戸内型、北部九州型、有明型、薩摩型、大隈型、琉球型の9つの地域型に分けられているんですよ!ここだけで既に奥深いですね!

また、本種は様々な要因により絶滅危惧Ⅱ類に指定されているのですがこの話は後ほど。


特徴

成長すると全長3センチほど。

背面は平たく、少しふっくらしたお腹や小さな口が特徴的で、童謡に登場したり理科の教科書に載っていたりと昔から私たち人間と非常に馴染みのある魚ですよね!

よく似たキタノメダカとは、尾鰭の付け根にある黒いシミのような模様があること、オスの背鰭の切れ込みが深いこと、そして鱗にそって黒い網目模様がないことで見分けることができます。

また、同じようによく似た外来種のカダヤシとは、臀鰭(しりびれ)の基底(きてい)がカダヤシよりも長いことや、尾鰭の後縁が丸みをおびずに直線的になっていることなどで見分けることができますよ!

小学校の理科の授業で習ったりするオスメスの見分け方については、オスは背鰭に切れ込みがあり、臀鰭が高いのに対し、メスは背鰭に切れ込みがなく臀鰭が低いことで区別がつくので家でメダカを買っている方は観察してみてください!

ミナミメダカは飼育しやすい、小さくて可愛いなどの理由で観賞魚として非常に人気があり、品種改良されることも多い種類で、メダカの養殖業者や愛好家の方々によって人工的な交配を重ねて改良され、様々な品種が生み出されています。

キタノメダカを改良した品種と合わせて今では500種以上いるそうなのですが、私はメダカや金魚の品種には疎く、ヒメダカやクロメダカ、楊貴妃、幹之(みゆき)メダカぐらいしか分からないのでご勘弁ください(笑)

これらの品種改良されたメダカは非常に美しいのですが、個人的には自然のままのミナミメダカを推したいです。

というのもシンプルなミナミメダカもクリーム色の体とブルーの瞳がとても綺麗で、オオカナダモなどの水草の中を泳ぐ姿はとても映えるんですよ!

また、前述した通り、ミナミメダカは地域によって見た目が異なるため場所が変われば違ったメダカを見ることができて面白いんです!

ちなみに私は目の青みが他の個体よりも強い有明型が一番のお気に入りです(笑)

皆さんも自分の地域のミナミメダカはどんな見た目をしているのか、実際に探して、そして見比べてみてください!!

有明型のミナミメダカ、他の地域の個体と比べて目の青みが強い

薩摩型のミナミメダカ、尾鰭の両端のクリーム色感強め


名前の由来

メダカという名前は見た目の通り目の位置が高いところにあることから来ており、漢字で「目高」と表されたりします。

また、田んぼなどでもよく見かけることから稲という意味のある、OryZiasという学名がついています。

ちなみにメダカは最も地方名の多いおさかなで各都道府県によって呼び方が異なり、東京ではメザカ、大阪ではアカメ、ウキス、ギンメ、マメンジャコ、アカハス、コメンジャコ、青森ではウルメ、滋賀ではイキンジョ、そして福岡ではイオゴ、キンメダカ、カワクジラなどなど様々な呼び名がついており、その数は5000種類ほどあるそうです!!1種類に対してとんでもない数ですね、、。

中には正式名称や別名として存在する魚の名前もあり、結構紛らわしいので大変ですね。


生態

・寿命

最大でも3センチ前後にしかならず、寿命は自然界のものでは一年、飼育下では2、3年ほど生きます。

・生活環境

ミナミメダカは強い水流に耐えられないため、流れの緩やかな河川や池沼などの止水域といった水草の多く生える場所で生活しており用水路や水田でも見ることができます。

・食性

童謡のメダカの学校にあるように群れを作って水面直下を群泳しており、表層のミジンコなどの動物プランクトンや植物プランクトン、落下昆虫などを食べます。

ちなみにメダカの目の位置が高いのは水面のミジンコなどの餌を見つけるためで、食べやすいように口も上を向いているんですよ!

・繁殖

産卵期になると雌が毎日10〜30個ほどの卵を腹に塊でつけ、何度かに分けて水草に産みつけます。

メダカの卵は纏絡糸卵(ほうらくしらん)と呼ばれており、卵にはものにくっつくための付着糸がついています。

この付着糸が水草などに纏わりつくようにして付着することで水流に流されたりしないようにしているんですよ!

水槽などで飼育している場合、壁に産みつけたりもするので、メダカが産卵したので親と卵を隔離しようとしたら卵が壁に張り付いていて回収できないことがあった方もいるのではないかと思います。

そういう場合は水草を用意したり、プールスティックとスポンジなどで作れる産卵床があるとメダカもそちらを優先して卵を生みつけてくれるので回収が楽ですよ!

また、メダカが卵を塊で産まずに数回に分けて産むのは、分散させて全滅するリスクを減らす他に、塊で産むことで酸欠になる卵を少しでも減らし、卵全体に酸素が行き渡るようにするという工夫があります!賢いですね!

・さまざまな原因で数が減っている

そんなミナミメダカですが、ブルーギルなどの肉食性の外来種による捕食や同じ環境で生活するカダヤシとの生存競争、河川や水路の改修工事などによって住処を奪われたりなどの影響で現在は数が減少しており、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

かつては手掘りの水路だったため流れは緩やかで水草なども繁茂していたためメダカもたくさんいたのですが、水路がコンクリートに変わってしまうことで水草が生えず、流れを遮る障害物もないため水流は速く、ミナミメダカに適した環境ではないためどんどん生息範囲を減らされている状態にあります

そこで、そんなミナミメダカを保全しようと地方の自治体などが放流によって数を増やそうとするのですが放流するメダカがその地域の個体群ではなかったため、ここでもさらに問題が起きてしまいます。

というのも前述した通り、ミナミメダカは地域によって遺伝子や形質に違いがあり、育ってきた環境も異なります。

そのためいきなり違う環境に放り込まれても適応できるはずもなく、むしろ元々そこにいた個体と住処の取り合いになったり、交雑することで元々そこにいた純粋な種がいなくなってしまうという遺伝子汚染という問題につながってしまい状況はさらに悪化してしまいました。

さらに、何らかの事情により、ヒメダカなどの人工的な品種を川に逃す人もいるため人工的な品種と純粋なミナミメダカが交雑してしまうという問題もあり、ミナミメダカの周りの状況はかなり悪くなっています。

そのためこれらはミナミメダカに限らず全ての生き物対して言えることなのですが、放流するときはその地域で育った個体を放流し、飼育する場合は飼えなくなったからなどの無責任な理由で人工的なメダカを川に逃したりせず、きちんと責任を持って最後まで飼育することが重要です。

放流して種を保全しようというのはとてもいいことなので、正しい知識を身につけた上で取り組んでいきたいですね!

水路なども水草が生えるように全面コンクリで作らないようにしたり、コンクリで作るならせめて土を敷いたり、凹凸や魚道をつけたりなどしてできるだけ昔の形を保っていき、なんとかメダカを初めとする生き物たちの環境を守っていきたいところです、、、。

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